●子育てをするのは誰ですか?

今日は、4月8日(月)。北海道千歳市のアパート(事務所)でこのブログを書いています。

私の番組「金子耕弐のファミリートーク」はこの4月でなんと13年目に入りました! 思えばずいぶん長く続いてきたものです。でも、まだまだ頑張りますので、どうぞ今後ともよろしくお願い致します。

さて、ご存知のように番組は月曜〜金曜まで毎日とはいえ、とても短いので、この時代の子育ての問題について番組内で充分に話せないことも多々あります。また、賛否両論の激しいデリケートなテーマについてお話しするときは、いくら言葉を選んでうまくまとめようとしても、充分理解していただくことができずに、リスナーの皆様のご気分を害してしまうケースも出てきます。例えば、いま日本では、諸外国に習って体罰を法律で全面的に禁止しようとする動きが出てきていますが、体罰の是非については、短い番組の中で話そうとするとあまりにも時間が短すぎて、いくら子育ての大事なテーマではあってもなかなかお話しできないのが現実です。そこで、日頃なかなか番組ではお話しできないことについて、時々、間を起きながらも、このブロク上でシリーズで書かせていただこうと考えました。もちろん、いくら時間の枠にとらわれないブログであっても、極力ことばを選んでダラダラしたものにならないように心がけたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。また、ブログの内容についてのご意見ご感想がありましたらどうぞメールでお寄せください。

ffjkaneko@gmail.com

 

シリーズ/この時代の子育てについて(第1回)

今、この国の政治家の方々の多くが、子育て支援に力を入れています。これについて考えるとき、親が子育てをしやすい環境を整えるための政策であるなら、私は大賛成です。でも、今の子育て支援政策にはどうも首をかしげたくなる部分が多いのです。何よりその動機が気になるのです。つまり、親が働きやすくなり、その結果、家庭の生活水準が向上し、欲しいものが手に入ったり、趣味や自己実現のためにもっとお金や時間を使えるようになると考えているように思えてならないのです。さらに、多くの政治家の皆さんはこうした世論に敏感に応えると同時に、親たちを働きやすくすることによって、労働力不足を解消し、国の経済を立て直すことができるとも考えているのでしょう。

「そうした考え方のどこが悪いのか」と言われる方が大勢いらっしゃるかと思いますが、今の子育て政策が育てられる側、即ち幼い子供たちの立場に立って考えてみた場合、それがどういう意味を持ち、どういう結果をもたらすかについては、深い考察や調査がまるで抜け落ちていると私には思えるのです。つまり、生まれたばかりの子供たちが、時代や社会がどんなに変わろうと、絶対的に必要としている「親」という存在を、特に母親の存在を、この政策がどんどん遠ざける結果になってはいないか、もう一度深く考えてみる必要があると思うのです。もしかしたら、この政策が、国の経済や親たちの都合にとっては有難いものではあっても、子供たちにとってはマイナスにはならないだろうかと考えてみることが、子供を本当に愛する親たちにとってぜひとも必要だと思うのです。

●子育てをするのは誰ですか?

数年前、沖縄の4つの保育園が合同で私を講演会の講師として招いてくださいました。会が終わると、4人の園長先生方が会食の席を設けてくださいました。その時、私は以前から質問したいと思っていたことを思い切って尋ねてみました。

「このところ、国が子育て支援に力を入れて、保育所をどんどん増設する方向に向かっていますね。いわゆる待機児童がゼロになる社会を目指しているわけです。私は、例えば生活に困窮したシングルマザーが、子育てをしながら生きていくためにはまさに“待ったなし”の状況なわけですから、待機させられたあげく子供も親も共倒れということになっては絶対にいけないと思います。でも、そのような状況ではなく、母親が今までの仕事を辞めたくないからとか、生活水準を落としたくないからなど、別の理由から保育所が必要だと考える親たちも結構多いと思います。それについて、保育園を経営する立場の園長先生方は、日頃どのようにお考えでしょうか。経営的には国が子育て支援に力を入れば入れるほど有難いと状況だと思いますので、かなり難しい質問しているのだと思いますが、いかがでしょうか。」

これに対して、4人の先生方が異口同音に次のような驚くべき回答をしてくださいました。

「子育て支援と言いますが、まずはっきりさせなければいけないのは、子育ては誰がなすべきかということです。当たり前のことですが『親』なんです。でもなぜか最近は、それがわかっていない親たちがどんどん増えてきているんです。例えば私たちは家を建てるなら大工さん、車が故障したら整備士さん、病気になったらお医者さん、とそれぞれの専門分野のプロにお願いするわけですが、それでは、そもそも自分の子供を育てるプロは誰でしょうか。それは他でもないその子の母親、そして父親なんです。それなのに、最近は、私たち保育士が子育ての専門家だと思っている親御さんたちがびっくりするほど多いんです。でもそれは大きな間違いです。どんな時代になっても子育ての主体者は、その子の親であって、私たちはほんの少しそのお手伝いをさせていただいているに過ぎないんです。私たちは子供の母親には足元にも及ばないんです。なぜでしょうか。もともと赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で誕生し、お母さんの行動や声を聞きながら生まれてくるんです。だから生まれた後も、その同じお母さんの行動と声を身近に感じながら、優しい腕の中にいるときに、子宮の中にいた時と同じ安心感を感じるし、その過程で親が自分を守ってくれること、大切にしてくれる事を感じ、つまり親の愛を吸収していくんです。この幼い頃の親との一体感、親に対する信頼感と言うものが、その子の後の成長のために、生涯にわたって大きな意味を持つのだと思うんです。」

私はその答えに大きく頷きながら、「私が思っていることと全く同じです!本当にそのとおりですよね!さすが、こうして私をお招きくださった先生方だけのことはありますね!!!(笑)」と冗談を言って楽しい会食の時を過ごさせていただきました。(続く)

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